浄瑠璃寺
奈良市街北東の静かな山里にたたずむ紅葉名所の美寺、浄瑠璃寺をご案内。小ぢんまりしていますが、池のまわりのモミジが見事で、池や国宝の建物といっしょに眺める上品な紅葉景色を楽しめます。
静かな山里の美寺で上品な紅葉を
浄瑠璃寺は、奈良市の中心部から北東の方向に5kmくらい行った、当尾(とおの)という山里にあります。実はギリギリ京都府なんですが、バスも奈良から出ているし、「奈良の一部」みたいなところ。交通の便はあまり良くないですが、紅葉の時期にはにぎわうし、当尾に多い石仏を眺めながらのハイキングがてら来る人も多いです。
小ぢんまりした境内は、「浄土式庭園」というスタイル。山門を入ると、正面に池が広がっていて、池をはさんで東に三重塔、西に本堂という2つの国宝の建物が向かい合っています。この池のまわりに多くあるモミジが、浄瑠璃寺の紅葉のメインです。
お寺の紅葉は、建物といっしょに見られるので、上品な景色を楽しめるところが多いですが、そこに池が加わって「庭園」になると、より「上品感」がアップする気がしますね。
池×モミジ×国宝建築の絶妙な取り合わせ
池がまん中にあるので、池越しにモミジと建物を見られるのが、浄瑠璃寺の紅葉狩りのポイント。もともと朱色でおしゃれな三重塔は、モミジに囲まれてより引き立つし、屋根が低くて横長の本堂も、池端のモミジといっしょに見ると絵のようにいい眺めです。
本堂には9体の阿弥陀如来があって、池の西側にあることで西方浄土を表しているんですが、紅葉の時期に本堂を眺める景色はまさに「極楽」。