茶がゆ
茶がゆは、奈良で味わう「食事の名物」の代表。「せっかく奈良に行くんだから、食事も奈良らしいものを」というんだったら、まず知っておくべきです。
茶がゆとは?
茶がゆは、ほうじ茶でお米や冷ごはんを炊いたおかゆです。お茶が入っているだけに、ふつうのおかゆと違って茶色。茶がゆ自体は、昔から関西ではどこでも食べていたみたいですけど、奈良の茶がゆは、あまりドロドロしていなくてサラッとしていて、塩味がついています。
「奈良名物」といったって、しょせんおかゆはおかゆ。見た目も味も、素朴でジミです。でも、もともと昔から庶民が食べてきたものなので、「素朴でジミ」なのはあたりまえですね。むしろ、一般庶民の中に生きてきた「ほんとうの奈良文化」を実感できる、ともいえるでしょう。
旅行者にとっての茶がゆ
ただ、旅行者が茶がゆを食べようとすると、ちょっとイメージが違ってくる感じ。奈良の宿の朝ごはんでは、よく茶がゆ定食を選べたりバイキングに並んでいたりするし、茶がゆを食べられるお店もあります。でも、こういう茶がゆは、なんかおしゃれで洗練されていて、「庶民の食事」とは程遠い感じです。「茶がゆ懐石」なんてものもあるくらい。
歴史は超一級
茶がゆの歴史は、奈良時代までさかのぼるようです。大仏を造っていたとき、お米を節約するために、みんなでおかゆを食べてお手伝いした・・・・・・というのがはじまりだとか。あと、奈良時代から続く東大寺のお水取り(修二会)でも、参加したお坊さんの食事メニューの記録に残っているそうです。
素朴な庶民の食べ物ながら、超一級の深い歴史を持っている・・・・・・というのが奈良らしい、茶がゆ。奈良には「食事の名物」というのがほとんどないので、ある意味貴重な食べものです。