奈良饅頭
奈良饅頭は、「日本初の饅頭」の血をひく由緒正しい奈良名物。ジミな存在ですけど、「はじまりの奈良」らしいし、「かわいい」という評判もあるし、話のネタに押さえておきたいお土産です。
奈良饅頭とは?
奈良饅頭は、こしあんと白あんが入った薄皮のおまんじゅうです。ある意味「なんの変哲もない」饅頭ですけど、奈良らしいポイントとしては、白あんのほうの皮に鹿の焼き印が押してあります。これが、「かわいい」と密かな評判になっているようです。凝った絵ではないですけど、素朴でいい味出しています。
皮は薄めで、中にはあんがタップリ。よくある薄皮まんじゅうみたいな、ふっくらした感じの皮ではなくて、ちょっと硬めに焼き上げてあります。味としては、まあおいしいおまんじゅうですね、という感じで、特に名物らしい特徴はありません・・・・・・
「日本初の饅頭」にちなんだ名物
なんでこの奈良饅頭が奈良名物なのかというと、奈良で生まれた「日本初の饅頭」にちなんでいるからです。室町時代に、中国人の林浄因という人が奈良にやってきて、饅頭を作って大ヒットしたんだとか。これが日本の饅頭の発祥といわれています。それにちなんで、こしあんが入ったほうの奈良饅頭の皮には、「林」の焼き印が。いろいろなものの発祥の地「はじまりの奈良」らしいエピソードですね。
奈良饅頭を買えるのは、近鉄奈良駅すぐそばのアーケード街「東向通り」にある「千代の舎 竹村」。このお店が、林浄因の饅頭にちなんで奈良饅頭を「復元」したそうです。今風にいろいろアレンジも加えているだろうし、この奈良饅頭から林浄因の作ったものをイメージするのは難しいかな、という気もしますね。
とはいえ、由緒正しき「饅頭の元祖」の名残りを今に伝えるのは、奈良では奈良饅頭くらい。女性にウケる「かわいさ」もありながら、奈良らしいエピソードもちゃんとある、よくできたお土産です。