東大寺お水取り(修二会)
「おたいまつ」で有名な、東大寺の「お水取り」こと修二会(しゅにえ)を紹介します。火の粉を散らすおたいまつの迫力を楽しめるほか、毎日いろいろな法要・行事があって、見学できるのも魅力。
開催日:3月1日~14日 場所:東大寺二月堂
1,200年以上続く、いちばん有名な「修二会」
東大寺のお水取りは、正式には「東大寺修二会」といいます。修二会は、奈良のところどころの古寺でやっていますけど、東大寺がダントツで有名。奈良時代に始まってから、1,200年以上1回も途切れずに続いているという、貴重な行事です。
お水取りの代名詞「おたいまつ」
東大寺のお水取りといえば、なんといっても「おたいまつ」が有名。ほとんどの人は、おたいまつを見にいく感じです。
期間中毎日、夜の法要が始まる7時ころから、10本のたいまつが二月堂へ上がっていきます。修二会を勤める「練行衆」というお坊さんが、二月堂に上がるための明かりです。上がったら、お堂前の「舞台」を左から右へ横切って、途中でくるくる回して火の粉を落としたりします。おたいまつがパチパチ鳴って一段と燃えあがって、なかなかの迫力。このあたりがシャッターチャンスで、歓声も上がります。
12日は特別な日で、10本のたいまつの他に、ひとまわり大きな籠松明が上がるので、特に迫力があります。時間も少し遅くて、7時半ころから。12日の様子がニュースで放送されるので、「おたいまつは12日しか見られない」と思っている人が多いからか、特に大混雑で入場規制になったりします。12日におたいまつを見ようと思ったら、早めに行って場所取りが必要です。
後半の週末にも入場規制になることがあります。おたいまつは期間中毎日あるので、いつでもいいなら、前半の平日のほうがすいていて見やすいでしょう。
見学できる法要・「お水取り」のほんとうの意味
ほとんどの人はおたいまつだけ見て帰っちゃいますけど、おたいまつは法要の「準備」。本来のメインである修二会の法要自体は、昼に2パート、夜~夜中に4パートの計1日6回行われます。二月堂には、東西南北それぞれに「四方の局」という部屋があって、そこで誰でも自由に法要を見学できます。中は暗いし、格子などがあってよく見えないので、見学といっても聞くだけな感じですけど、神秘的な宗教行事を体験できるのは魅力です。ただし、撮影禁止で、絶対静粛。
12日の夜中には、二月堂の下にある閼伽井屋(あかいや)で、観音様に供える「香水」をくみます。ほんとうの意味での「お水取り」です。これがあるので、修二会全体が「お水取り」と呼ばれるようになったんでしょうね。雅楽が流れるなか儀式が進みます。真夜中(1時ころ)だというのに、かなりの人出です。
東大寺のお水取りは、数ある奈良の伝統行事の中でも、歴史の長さ・有名度・盛大さなどトップクラス。きれいで迫力もあるおたいまつを見るだけでも、古都らしい伝統行事に触れられるし、興味ある人には、由緒正しい法要を聞けるのも貴重な体験です。ただ、夜の二月堂はかなり冷えるのでご用心。
東大寺二月堂へのアクセス
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徒歩
近鉄奈良駅から30分
大仏殿前(中門)から7分
バス
近鉄奈良駅から4分
JR奈良駅から7分
「東大寺大仏殿」・「大仏殿春日大社前」下車徒歩13分