唐招提寺の観月讃仏会
国宝の建物や仏像といっしょに風情あるお月見を楽しめる、唐招提寺の観月讃仏会を紹介します。この日だけ、金色に輝く国宝の仏像を夜に見られたり、御影堂のお庭に入れたりと、貴重な体験ができる機会。
開催日:中秋の名月の日 場所:唐招提寺金堂・御影堂
夜の境内に浮かびあがる国宝の仏像
唐招提寺の観月讃仏会は、国宝の仏像や、唐招提寺を開いた鑑真和上といっしょにお月見をしよう、という行事。夕方6時に南大門が「再開門」されると、無料で境内に入れます。まずは、金堂の扉の前で法要。参拝客はともかく、お坊さんも建物の外側に並んで法要をするのがユニークです。
明るいうちから始まった法要が終わるころ、外も暗くなってきてムードが盛り上がってきます。夜に金堂の仏像をお参りできるのは、観月讃仏会の日だけ。暗闇に金色の仏像が浮かび上がって、ますます神々しい感じです。
法要が終わったら、扉の前まで行って自由にお参りできます。法要直後は混むし、9時まで開いているので、すいたころにゆったりお参りするのもおすすめ。
御影堂の前庭で、鑑真和上といっしょにお月見
鑑真和上の像がまつられている御影堂も特別にオープン。建物の中には入れませんけど、そのかわり前庭に入れて(有料)、「鑑真和上といっしょにお月見ができる」趣向になっているのがありがたいですね。
お庭の祭壇には、お月見らしくススキなどの秋の七草や団子などが供えられています。裏千家の家元による献茶式も行われます。
ハギが浮かび上がるおしゃれな灯籠
境内には、全体に灯籠が並べられています。明かりは、開いている建物以外はこの灯籠だけ。月をきれいに見るためのありがたい配慮ですね。この灯籠、中にハギの枝が入っていて、外から見ると、透かし彫りのようにシルエットが浮かび上がっておしゃれ。ハギの名所らしい粋な演出です。
観月讃仏会の時期、緑豊かな境内は秋の虫の声が心地いいです。お月見の行事をやるお寺や神社は多いですけど、唐招提寺の観月讃仏会は、貴重な国宝建築や仏像に囲まれているだけプレミア感があります。第一級の由緒正しいお寺で、上質なお月見を楽しめば、いつもとは違った中秋の名月の夜を過ごせます。