実忠

実忠

奈良~平安時代:726年~809年?
ゆかりのスポット 東大寺二月堂

1,200年以上途切れずに続く東大事最大の行事、二月堂のお水取り(修二会)を始めた人。お水取りを見にいくならもちろん、二月堂に行く前にも予習しておきたい人物です。

東大寺最初期に「実務派」として大活躍

実忠は、できて間もない東大寺で大活躍したお坊さん。詳しいことはよく分からないものの、東大寺の初代別当(いちばんえらい人)良弁の弟子で、東大寺の重要なポストを歴任したようです。ただ、別当にはならなかったみたいですね。「実務派」といったところでしょうか。

奈良最大級の行事「お水取り」生みの親

実忠最大のポイントは、「お水取り(修二会)を始めた」というのに尽きます。東大寺で一番重要な行事とされているだけじゃなくて、奈良全体でも最大級の宗教行事です。実忠が始めてから、2013年まで1,262回途切れずに続いてきた、というのもすごいですね。

伝説によると、実忠が、東大寺から北東へ10キロちょっとのところにある笠置山に行ったとき、洞窟をめぐり歩いて、そのうち天衆(=天使?妖精?仙人?)たちが観音様相手に法要をやっているところに着きました。それを見ているうちに、自分たちでもやりたくなってきて、教えてほしいと頼んだものの、「君たち人間にはムリだ」と断られました。それでも実忠は引かずに頼んだら、その熱意が通じてか、教えてもらえました。こうして始まったのが、お水取りこと東大寺修二会だとか。

お水取りの「会場」二月堂をはじめ、建物など整備

東大寺の二月堂は、このお水取り(修二会)をやるためにある建物。そのためにカスタマイズされた、独特なつくりをしています。今の建物は江戸時代に建てなおされたものですけど、初めは実忠が建てたようです。その他にも、大仏の光背(背中の後ろにある板状の飾り)や他の建物も建てたりしています。東大寺の予習をするなら、聖武天皇や行基・良弁とあわせて、実忠もお忘れなく。

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