会津八一

会津八一

明治~昭和:1881年~1956年
ゆかりのスポット 東大寺・新薬師寺・平城宮跡・薬師寺・唐招提寺・法隆寺など

奈良の仏像や風景などを、ひらがなだけの短歌で描いた歌人・美術史家・書家。有名どころのお寺はたいてい詠んでいて、奈良の旅をおもむき深くしてくれます。

文学青年→美術史の研究者として奈良へ

会津八一は、明治から昭和にかけて活躍した歌人。新潟の出身で、中学生のころから万葉集など文学に親しんだとか。大学を卒業した後、中学・高校の先生をしながら美術史の研究を独学ではじめて、大学の教授になってから、研究のために奈良に何度も通ったようです。

ひらがなで奈良を描く

旅行者にとって重要なポイントは、奈良についての短歌をたくさん残したこと。ほとんどの観光名所を詠んでいると言ってもいいくらいです。歌が全部ひらがなというユニークなスタイルで、柔らかくてやさしい印象なんですけど、使っている言葉はとても難しくて、意味を理解するのは苦労します。

いちばん有名なのは、たぶん薬師寺の東塔を詠んだ歌でしょう。

すゐえん の あま つ をとめ が ころもで の
ひま にも すめる あき の そら かな

唐招提寺のも有名ですね。

おほてら の まろき はしら の つきかげ を
つち に ふみ つつ もの を こそ おもへ

歌の中心は仏像やお寺だったりするんですけど、それを通して季節や自然がにじみ出てくるのが、会津八一の歌の持ち味な気がします。

その他にも、

おほらかに もろて の ゆび を ひらかせて
おほき ほとけ は あまたらしたり(東大寺)

ちかづきて あふぎ みれども みほとけ の
みそなはす とも あらぬ さびしさ(新薬師寺)

はたなか に まひ てり たらす ひとむら の
かれたる くさ に たち なげく かな(平城宮跡)

いかるが の さとびと こぞり いにしへ に
よみがえる べき はる は き むかふ(法隆寺あたり)

などなど、意味はよく分からなくても、奈良らしいおおらかさとか、会津八一の奈良への愛着が伝わってきて、味わい深い感じがします。

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