唐招提寺
西ノ京エリアで薬師寺と並ぶ人気スポット、唐招提寺のご案内。奈良時代の建物がたくさん残っていて、国宝の仏像も見られるし、文化財めぐりや古建築・仏像めぐりの旅には欠かせないお寺。
拝観料:大学生以上600円
金堂(こんどう)
南大門を入ると、広い参道の正面に見える立派な建物。奈良時代から残っている建物のなかでは最大なのと、奈良時代に「金堂」として建てられたなかで残っているのはこれだけだそうで、とても貴重です。井上靖の小説「天平の甍(いらか)」にも出てきます。
前の柱は、まん中が少しふくらんでいる「エンタシス」というスタイル。歴史の授業で教わりましたね。中に入ると、3体の大きな仏像のほか、四天王像などがあって、どれも国宝。
講堂
金堂の後ろ側にある建物。金堂より低くて、なんとなく親しみのある感じがします。
平城宮(平城京の中心部)の東朝集殿(ひがしちょうしゅうでん)という建物を持ってきたもの。平城宮にあった建物のうち、今残っているのはこれだけです。金堂はお寺のお堂として特に貴重ですけど、講堂は「宮殿建築」としてとても貴重です。
とはいえ、唐招提寺に持ってくるときにだいぶ改造されているようですし、鎌倉時代にも改造されているので、今の講堂を見て、奈良時代の平城宮の建物をイメージするのは難しいかもしれません。
鼓楼(ころう)
金堂と講堂の間にある、2階建ての建物。唐招提寺を建てた鑑真和上が中国から持ってきた仏舎利(お釈迦さまの遺骨)を納めてあるので、舎利殿とも呼ばれています。鼓楼というと「太鼓がある2階建ての建物」というような意味ですが、なぜか太鼓はありません。
毎年5月19日に、鼓楼で「うちわまき」というイベントがあります。2階の「縁側」の部分からうちわをたくさん投げるイベントで、大勢の人が集まって拾いあいます。うちわを拾うと、虫よけ、厄除け、魔除けなどのご利益があるそうです。
経蔵・宝蔵
唐招提寺境内の東のほうに、校倉造(あぜくらづくり)のよく似た建物が2つ並んでいます。南が経蔵、北が宝蔵。校倉造といえば東大寺の正倉院が有名ですけど、経蔵のほうは正倉院よりも古くて、日本で一番古い校倉造。
経蔵は、唐招提寺ができる前にここにあった、新田部親王という人の屋敷の米倉を改造したものだそうです。奈良時代の米蔵を見られるというのも貴重です。経蔵を見て、奈良時代のお屋敷や暮らしはどんなだっただろう・・・・・・と想像してみるのも、古建築を見る旅の楽しみですね。
鑑真和上
唐招提寺を建てた、中国のえらいお坊さん。中学の歴史の授業で出てきましたね。それもあって、唐招提寺は修学旅行の定番コースだし、観光地としても有名なんじゃないでしょうか。
日本の仏教を本格的に発展させるために、遣唐使として中国に渡ったお坊さんから説得されて、日本に渡ろうとするものの、嵐にあったり弟子に裏切られたりして、最後は失明しながら10年以上かかって日本にやって来ました。その後、たくさんのお坊さんに、守るべきおきてを授ける「授戒」をしました。