東大寺
奈良いちばんの人気スポット、東大寺をご案内。巨大な大仏や大仏殿をはじめ、お水取りの舞台「二月堂」や奈良時代から残る鐘など、見どころいっぱい。
南大門
東大寺の「正門」。巨大な大仏殿への入り口らしい堂々とした門で、「奈良に来たんだなー」という気分を盛り上げてくれます。高さ25m。鎌倉時代に再建されました。
ただ大きいだけでなく、他のお寺の門とはずいぶん違った雰囲気。上を見上げると天井がなくて、水平の「はり」がたくさんあるのが目立ちます。これは中国から伝わった大仏様(だいぶつよう)という建築スタイル。豪快で、京都などのお寺とは違う「奈良っぽさ」を感じます。
両サイドには、歴史の教科書でおなじみの仁王様「金剛力士像」。これまた巨大。たくましい筋肉や着物の「ひだ」がリアルに表現されていて、これも見どころ。
大仏殿
大きな建物が多い東大寺の中でもダントツに大きな建物。正式には「金堂(こんどう)」といって、「本堂」と同じような意味。
「世界最大の木造建築」とか言われたりしますけど、今ではもっと大きな木造建築も作られているそうで、「世界最大『級』」という感じでしょうか。とにかく、間近で見ると何度見ても巨大さに圧倒されます。
平安時代と戦国時代に兵火で焼失して、今の大仏殿は300年位前の江戸時代に再建されたもの。奈良時代にできた当時は、横幅がさらに1.5倍あったそうです。江戸時代に再建されるまでは、大仏さまは何十年か雨ざらしだったとか。
拝観料:中学生以上500円
大仏
東大寺の本尊でもある、有名な「奈良の大仏さま」。台座からの高さ15m、顔の長さ4.8m、目の長さだけで1m以上あるそうです。正式には「廬舎那仏(るしゃなぶつ)」といって、世界の中心とか、宇宙そのものとかいった意味。
大仏さまの右奥に、一本だけ四角い大きな穴が開いた柱があります。この穴が、大仏さまの鼻の穴と同じ大きさだそうです。下から見上げるといまいち分かりにくい大仏さまの大きさも、近くのもので例えるとイメージしやすいですね。この穴、通り抜けられると無病息災だとか。
大仏さまも大仏殿といっしょに焼けていて、奈良時代からあるのは台座などごく一部。この台座の蓮弁(ハスの花びら)に、仏画が線で刻まれていて、奈良時代からある貴重なもの。大仏さまを見に行ったら、ぜひ見ておきたいところです。
鐘と鐘楼
東大寺もお寺なので、鐘があります。その鐘もまた巨大。奈良時代に大仏さまができた当時からある貴重なもの。
大仏殿の東側の丘を登ったところにあります。鐘が巨大なら鐘楼もかなりの迫力。まわりにもお堂がありますけど、普通のお堂よりも鐘楼のほうが大きいというのは、なかなかないでしょう。鐘楼は鎌倉時代にできたもの。
鐘楼は自由に入れるので、入って鐘を真下から見上げると、迫力をより実感できます。
二月堂
鐘楼のさらに東、高台の斜面にある建物。有名な「お水取り」の舞台です。
京都の清水寺のように「舞台造」になっていて、高台でもあるのでいい眺めです。大仏殿の向こうに奈良の町や生駒の山並みが見わたせます。
毎年3月に行われる「お水取り」は、正しくは「修二会(しゅにえ)」といって、東大寺でいちばん大事な儀式といわれます。二月堂のまわりには、水をくむ「閼伽井屋(あかいや)」や、修二会に参加する僧侶がこもる「参籠所(さんろうしょ)」があって、奈良時代から1回も途切れずに続いてきた歴史ある行事の舞台らしく、そのための施設が集まっています。
法華堂(三月堂)
二月堂の南、奈良時代からある東大寺最古の建物。昔、3月にここで法華会(ほっけえ)が行われていたので、通称「三月堂」と呼ばれています。
1つの建物に見えますけど、北(奥側)半分が奈良時代からある「正堂(しょうどう)」、南半分が鎌倉時代にできた「礼堂(らいどう)」で、2つの建物がうまくつなぎ合わされています。歴史ある東大寺の中でも、奈良時代にできた建物はほとんどなくて貴重です。
堂内には、奈良時代に作られた国宝・重要文化財の仏像がたくさん安置されていて、「国宝建築を使った博物館」というような感じ。2011年に「東大寺ミュージアム」ができて一部の仏像が移動しました。
戒壇堂
大仏殿の西のほう、東大寺の境内でも西の端のほうにある建物。中に入ると、国宝の四天王像を拝観できます。
「戒壇院」という塔頭(たっちゅう)のお堂で、塀に囲まれていて門もついています。どちらかというとマイナーなスポットですけど、仏像好きな人にとっては外せないところですし、二重屋根の建物はなかなか立派です。
拝観料:中学生以上500円