飛鳥のフシギな石たち
飛鳥に点在する謎の「石」たちをご案内。飛鳥には、だれがいつ、何のために作ったのかよく分からない、謎に満ちたフシギな石がいくつもあります。想像力を働かせながらの「石めぐり」も飛鳥の楽しみのひとつです。
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鬼の俎・雪隠(おにのまないた・せっちん)
飛鳥駅や高松塚古墳から飛鳥の中心部へと歩いていくと、畑の中の細い道沿いにあります。道のすぐわきの斜面にあるのが「鬼の雪隠」、左に少し上ったところにあるのが「鬼の俎」。
このあたりは「霧が峯」と呼ばれてよく霧が発生するところで、その昔、ここに住んでいた鬼が霧で迷った旅人を捕まえて、鬼の俎で料理して食べ、鬼の雪隠で用をたした・・・・・・という伝説があります。
本当のところは、この石は古墳の石室の底板と上の部分で、盛り土がなくなった後、上の部分が転げ落ちて鬼の雪隠になったとのこと。そんな石も、よくできた伝説の舞台になってしまうあたり、さすが「伝説の飛鳥」です。せっかくなので、巨石の迫力を味わうだけでなく、古墳だったころを想像したり、伝説に思いをはせてみたりしたいところです。
アクセス
近鉄飛鳥駅から徒歩15分
亀石
鬼の俎・雪隠から天武・持統天皇陵を過ぎて、交通量のある道路と並行した自転車道を行くと、自動販売機がある休憩所兼野菜直売所みたいな建物の横にあります。「ある」というより「いる」という感じでしょうか。
べつに「カメ」と決まったわけではないですし、何か別のものと見てもいいでしょうけど、でもやっぱりカメにしか見えません。何度見てもユーモラスでほほえましいです。飛鳥の巨石の中でも人気ナンバーワンじゃないでしょうか。お寺や神社ではないので「ご利益」はないでしょうけど、なでるといいことありそうです。
近くにあった川原寺の境界という説もありますが、よく分かっていないようです。亀石にも伝説があって、なんでも、この亀石は西にある当麻に恨みをもっていて、真西に向きを変えて当麻の方をにらみつけたとき、大和盆地は泥沼になるんだそうです。飛鳥の伝説はおどろおどろしいものが多いですね。
アクセス
近鉄飛鳥駅から徒歩25分
鬼の俎・雪隠から徒歩10分
近鉄飛鳥駅からバスで8分
「中央公民館」下車徒歩3分
酒船石
石舞台古墳や岡寺から飛鳥寺のほうにぬける、飛鳥の「メインルート」から少し丘を登った林の中にあります。ちょっと分かりにくいところなので、地図や案内板を確認しながら歩いてください。
道の先に突然現れる平たい巨石の上には、なんともいえない形のくぼみや線が彫られています。どこか「ナスカの地上絵」を連想させるところもあります。酒を絞るための施設、というところから酒船石の名前が付いたようですけど、薬を作る施設とか、庭園の一部とかいろいろ説があって、これもよく分かっていません。
「いまだによく分かっていない」ものがたくさんあるのが、飛鳥の特徴。それだけに想像力をかき立てられる、とも言えますね。酒船石も、その前に立ってしばらく眺めながら、何に使われていたのか想像してみるのも楽しそうです。
アクセス
岡寺駅から徒歩45分
亀石から徒歩25分
石舞台古墳から徒歩20分
近鉄橿原神宮前駅からバスで20分
「万葉文化館西口」下車徒歩3分