法隆寺
奈良全体でも東大寺と並ぶ有名スポット、法隆寺をご案内。「日本初の世界文化遺産」で「世界最古の木造建築」、建物も仏像も国宝だらけと、とにかくもりだくさん。
拝観料(西院回廊内・大宝蔵院・東院伽藍共通):1,000円
中門
国宝の南大門をくぐってまっすぐ進むと、中門と五重塔が見えてきて気分が盛りあがってきます。中門から両側に回廊が伸びていて、世界最古の木造建築といわれる法隆寺の「最重要部」を囲んでいます。回廊の中は拝観料が必要で、中門は拝観料を払わなくても見られるただ一つの「世界最古の木造建築」です。
拝観入口へ急ぐ前に、ちょっと中門自体を見てみてください。ふつう門というと、柱が偶数でまん中は通れるようになっているものですけど、法隆寺の中門はなぜか柱が5本で、まん中に柱があります。考えてみればフシギなつくりですね。両側にいる仁王様は奈良時代のもので、日本一古い仁王様。
五重塔
拝観料を払って入ると、まず目の前に見えるのが五重塔。当然日本で一番古い五重塔で、木造では世界一古いとか。
塔は、たいてい上にいくほど屋根が小さくなっていきますけど、法隆寺の五重塔はその割合が特に大きいとか。いちばん上の屋根の一辺はいちばん下の屋根の半分くらいしかないそうです。でも、眺めてみるとそんなふうには見えません。遠近法でより高く見せるための「演出」でしょうけど、うまく計算されてるなあ、と感心します。
金堂(こんどう)
五重塔のとなりにある、法隆寺の本堂。お寺のお堂は前面に扉がいくつもあるのがふつうなのに、法隆寺の金堂は4方向のまん中だけに入口があってユニーク。一階の屋根の下に「裳階(もこし)」というひさしが付いているのも印象的です。
中は3つのパートに分かれていて、それぞれ仏像がまつられています。そのうち本尊の釈迦三尊像と薬師如来像は飛鳥時代にできたもの。アーモンド形の目をしていて、「アルカイックスマイル」という微笑を浮かべている・・・・・・という飛鳥時代の仏像の特徴がよく出ています。
西円堂
境内のいちばん西の奥、階段の上にある八角形のお堂。鎌倉時代に再建されたものですけど国宝です。観光客もほとんど来ない静かなマイナースポット。
中には入れないものの、「峰の薬師」と呼ばれる奈良時代の薬師如来像や、本当に手が千本ありそうな千手観音像を見られます。金堂みたいなインパクトはないですけど、拝観料もいらないですし、時間があればちょっと寄ってみたいスポットです。
聖霊院(しょうりょういん)
回廊のすぐ東どなりにある、細長い建物の手前の部分。聖徳太子をまつる建物で、寝殿造り風でいい雰囲気です。
もともとはお坊さんが住んでいた「東室」だったのを、鎌倉時代に手前の部分だけ改造してできたもの。このお堂、靴をぬいで上がってお参りできます。国宝建築に上がれて、しかも拝観料もいらないというのは、なんか得した気分です。扉が格子状の蔀戸(しとみど)だったり、御簾(みす)が下がっていたりして、貴族の邸宅風のおしゃれなつくり。
大宝蔵院
法隆寺の大量の文化財を保管してあって見られる建物。平成10年にできた新しい施設です。
法隆寺は言うまでもなく文化財の宝庫。金堂にも国宝の仏像がいくつもありますけど、他にもまだまだ国宝の仏像はたくさんあるし、仏像以外にも貴重なお宝がたくさん。聖徳太子の時代の推古天皇が持っていたという「玉虫厨子(たまむしのずし)」なんて、学校で教わったのを覚えている人も多いんじゃないでしょうか。
ひとつの博物館として見ても十分なくらいの充実度。じっくり見ていたら時間がいくらあっても足りません。全体をざっと見るか、じっくり見るなら、見たいものを決めて行くのがうまい見かたのようです。
東院伽藍(とういんがらん)
五重塔などがある「西院」エリアを見おわったら、東大門をくぐって東に行きます。つきあたりに見えてくるのが、聖徳太子が住んでいた跡だという東院伽藍。門をくぐるとここにも回廊があって、その中に奈良時代にできた「夢殿(ゆめどの)」があります。
夢殿は八角形の建物。西円堂もそうだし、奈良時代には八角形のお堂がはやったんでしょうか。夢殿には、聖徳太子の等身大とかいわれる救世観音など、国宝の仏像がまつられています。この救世観音、いろいろといわく因縁があるようです・・・・・・。
拝観料(東院伽藍のみ):200円